(2020〜)SF和風ファンタジー日本神話「TOKIの世界...

By goboukaeru

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Fantasy and Japanese-style sci-fi story! This is a fantasy novel and fiction. Don't criticize me. Comments in... More

リカの世界書
出会ってはいけない
選択肢
抜け出せ!
新たな世界
記憶をたどれ!
弐の世界へ!
ワールドシステム
戦いはまだ
壱と伍の行方
最終戦
TOKIの世界譚 栄次編 あらすじ
月夜は過去を映す
竜宮へ
栄次はどこに?
栄次を探せ!
栄次と更夜
弐の世界の真髄へ
栄次の心
エピローグ
TOKIの世界譚 更夜編あらすじ
月の女神
すれ違う二人
責任とは
リカを守れ!
更夜の兄様
巻き戻せ!
真実へ
最後まで戦え!
最終話
TOKIの世界譚 サヨ編あらすじ
うつつとも夢とも知らず
夜の子孫達
戦いは始まる
夜の一族に光は
鬼神の更夜
闇の中に光を
黄泉へ返せ!
心の行く先は
花は咲き、月は沈む
最終話
TOKIの世界譚 ルナ編あらすじ
ルナはふたりいる
時空が歪む
チルドレンズドリーム
歴史神の隠し事
月は隠れる
憐夜とライ
進む先は
ルナの思うこと
子供は知っている
すべての結果は?
最終話

エピローグ

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By goboukaeru

 「リカ、ワールドシステムで何があったの?」
 アヤがリカに抱きつきつつ、尋ねる。
 「よく、わからないけど、ワールドシステムに『命令』したら、ワイズが巻き戻って消えて......。ま、まあ、とにかく、今回は終わったんだって」
 リカも実際によくわかっていない。マナが壱にリカを帰してくれた事はわかっているのだが。
 「まあ、とにかく、終わったんだな! あー、長かったあ」
 プラズマは力が抜け、その場に座り込んだ。刹那、気を失っているナオとムスビが目覚める。
 「ワイズがっ!」
 ナオは戸惑いながら立ち上がり、時神達を見て首を傾げた。
 「時神......なぜここに? ワイズは? 私は先程、ワイズの神力を浴びて気を失って......」
 夢の中でアヤが時間を巻き戻したので、『寝ていた』という部分はなくなっているようだが、その後、すぐにワイズに気絶させられたらしい。
 「......ワイズに気絶させられたことより、プラズマ......てめぇだよ、てめぇっ!」
 ムスビは起きてすぐにプラズマの胸ぐらを掴んだ。
 「な、なんだよ......こえー......」
 プラズマの脳裏に「すまん! 後で飯もおごる」の言葉がよぎり、冷や汗をかく。
 「よくもやったな」
 「ちょ、何が?」
 プラズマはとぼけることにした。プラズマに問われたムスビは「なんだっけ?」と首を傾げた。
 「なんか、夢見ていたんだろ? 気にすんな、気にすんな」
 「よくそんなことが言えるな......お前は......」
 飄々と言うプラズマに栄次が頭を抱える。
 「まあ、いいじゃねーか。ムスビ、後で酒飲もう! 恋についてたまってるもの吐き出せ。聞いてやるから」
 「なんで、お前に話さなきゃならないんだよ。やだよ」
 「いいじゃねーか、ライバルの栄次も連れてく?」
 プラズマは含み笑いをしながらムスビを見る。ムスビは顔を真っ赤にすると、プラズマの耳を摘まんだ。
 「いででっ!」
 「ナオさんの前で、変なこと言うなよ!」
 「ムスビ、ケンカしないでください。こわいです」
 「ごめん、ナオさん、怖がらせちゃって......その......」
 ナオが小さく声を上げたので、ムスビは素直に手を退いてあやまった。
 ナオはため息をつくと、口を開く。
 「とりあえず......ワイズの件は高天原に持っていきましょう。私達は西の剣王軍。勝手に手を出したワイズは罪になるのでは?」
 「揉み消されそうな予感がするけど......」
 ナオの言葉にムスビは軽くはにかんだ。
 「俺達もワイズと剣王を罪に問えるかもしれないなあ。ほら、俺達は北の冷林(れいりん)軍所属だろ、一応。栄次は剣王に攻撃されているし、アヤは身体中かわいそうだ」
 プラズマがひとり頷き、栄次が答える。
 「持っていくか。俺の件は恥ずかしいのだがな......」
 「恥ずかしいか。あんたらしいな。だが、冷林には話さないと」
 「ああ」
 プラズマと栄次は体を伸ばし、アヤとリカを視界にいれ、優しく笑った。
 「ああ、あんたらは休んでな。ちょっと栄次と高天原に行ってくる」
 「......ほんと、いると頼もしいわね。ナオとムスビも行くんでしょう? 歴史書、片付けておくわね」
 「あ、ありがとうございます、アヤ」
 ナオはアヤに微笑むと、ムスビを連れて先に出ていった。その後をプラズマ、栄次が追いかける。
 歴史書店はふたりだけになった。二人でいるとやたらと広い。
 「アヤ、ずっと一緒にいてくれて、ありがとう。私、ちょっと強くなれたような気がする。覚えてないかもだけど、ずっとアヤは私に優しくしてくれたんだよ」
 リカにそう言われたアヤは目に涙を浮かべると、リカの頭をそっと撫でた。
 「これからも一緒よ。よろしくね、リカ」
 「うん! とりあえず、片付け、やれる範囲でやろう!」
 アヤとリカはお互い手を叩き合うと、少しずつ、散乱した本を片付けていった。
 日が沈み、星が輝き始めた頃、ようやくプラズマと栄次が帰ってきた。アヤとリカは疲れ果てて寄り添って眠ってしまっていた。
 ナオとムスビはきれいになっている歴史書店を見て、寝ているアヤとリカに小さく「ありがとう」と言った。
 「あーあー、女の子がこんなところで、だらしなく寝ちゃってるよ」
 「せめて、足は閉じて寝てくれ......。大の字はまずい......。この子達は心配だ......俺は」
 プラズマはあきれ、栄次は眉間にシワを寄せている。
 「とりあえず、どっちか抱っこしろ。『帰る』ぞ」
 「ああ......無防備に寝ているな......。心配だ......俺は」
 プラズマが近いところにいたリカを抱え、栄次はアヤを抱えた。
 「家もらったもんなあ、俺ら。ワイズと剣王め、はじめからお詫びを用意して罰を回避したな。家具付きで清掃までしといたとか」
 「......予想はできていたが」
 プラズマと栄次はナオとムスビに軽く手を振ると、歴史書店を出て、月が照す夜道を歩き出す。
 「えーと、こっちか、えー、坂を登るのかよー」
 「行くぞ。俺も疲れた」
 「栄次って疲れんの?」
 「お前、俺をなんだと思っている......」
 二人は坂を登り、坂の上にあった住宅街に入った。
 「やっほー!」
 ふと、やたらと元気な声が聞こえ、栄次とプラズマの肩が跳ねる。
 「......サヨか」
 「びびったあ......」
 「あんたらの家、ここになったの? ずっと空き家だったんだよ~ん! あたしんちの横じゃん! ウケる。お隣さ~んだね~」
 隣の庭からサヨが楽しそうに手を振っていた。
 「お隣さん......てか、あんた、こんな夜遅くになにしてんだよ」
 「忍者の練習!」
 「癖が強いな......。まあ、頑張れ」
 疲れきっているプラズマはサヨを適当に流し、かなり広い、大きな家を見上げる。
 「家でっかい......四人でシェアハウスか......むずがゆいな、なんか」
 「まさか、こんなことになるとはな......」
 玄関の扉を開けようとした刹那、アヤとリカが目覚め、目を丸くする。
 「ああ、勘違いすんなよ、お持ち帰りしようとしたわけじゃねぇから! 皆で住む家だ。ていうか、お持ち帰りって、なに言ってんだ、俺。ここ、俺達の家だぞ」
 プラズマが言い、アヤとリカは動揺の声を上げる。
 「え? な、なに......」
 「ええ?」
 「お隣さんだよ~、よろしく~! あ、お楽しみの夜はこれからかな~! 忍者プレイ、忍者ァ~プレイっ! しゅりけ~んっ!」
 「サヨ! ややこしくすんな! 頼むから」
 サヨの言葉により、アヤとリカは情報が多すぎて、そのまま気絶した。
 「はあ......サヨ、早く眠れ。今日は助けてくれたな、すまない」
 栄次が真面目に言い、サヨは「ニヒヒ」っといたずらっ子のように笑った。
 リカのループは終わった。
 リカは壱で時神達と共に過ごす決意をしたが、伍も守るつもりだ。
 壱と伍は、離れることも繋がることもなく、そのまま進む。
 しかし、リカが現れたことで、世界が少し変わった。
 「私は......頑張らなくちゃ......伍の神も、人も守るんだ」
 リカが夢の中でつぶやき、栄次とプラズマは軽く驚いた後、リカに微笑み、頭を優しく撫でた。

 冷たい夜風が吹くが、春は近い。
 

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