夏の彩奈

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こんにちは、こんばんは、もしくはおはようございます。
アップデートが遅くなり申し訳ございません。これから新キャラが出てきます!!

彼にキスされた昨日の夜、何を感じただろう。何千万の感情が一気に感じれたのだろう。やっぱり彼は私のことが好きなんだ。どうしてなんだろう。とても申し訳ない気がする。私は一晩考えてみた。彼の気遣い、優しさや魅力を少し見えてきた気がするけど、自分で真剣に考えてみたのに、拓海のことを好きなのか好きではないのか決定できない。すればいいのか?でも、あの時みたいに傷つきたくないし。
ううん、一晩では決められる事ではない。
朝起きて会っても彼は何も変わらず。
車の中でも彼も全然変わらず。
ちょっとだけ意識してるから私はあまり喋れなかった。
「なぁ、すみれ。」
「は、はい!」
「どうしたんだよ...」
「いや、いや、別に。」
「後の夏休み暇か? 」
「うん。」
遊びに誘うの?誘うの??という無駄に意識する期待をすると、
「そっか。」と笑ってそれ以上は何も言わない。奈央たちは昨日の出来事を知らないようで、拓海も普通に振る舞ってる。変なのは私なのか?
一夏考え込むことになったのだ。

***

「おはようお姉ちゃん!」7月の半ばの朝に彩奈の声で起こされた。何よ... まだ7時なのに... まだ半分眠っている私は自分の体を持ち上げて座る体制になると、部屋のドアから出て来る彩奈が居た。シンプルなピンクなタンクトップとデニムのオーバーオールを着ていた。普段ならバッチリメイクをしたりもっと可愛い服を着てるはずなのが、だいぶシンプルだった。
「何...?」私は寝ぼけらがら言った。
「今日どうせ暇なんでしょ?」
「うん。」
「じゃあ、一緒に撮影に来てよ。」
「なんで私が。」
「いいじゃない、今日はちょっとSpecialなやつだから。」
「いや。」
私はすぐに眠りに戻った。一旦起きてから寝るのは難しい。部屋の窓から透き通る夏の太陽の日差しが眩しくて瞼を痛めてる。F**k you sunlight. (クソ、この太陽め。)
「もう... 今日だけでいいから来てよ... お姉ちゃんをみんなに紹介したいのに。」
紹介?どうせあなたの友達の生意気モデルさんたちでしょうね。
「...」
「スカウトされるかもよ...」
「...」
「すみれ、いい加減にしろよ。もう何日家に引きこもってるんだよ。」
「F**k off Hiro. Do you think I care? (消えろ紘。私が気にしてると思う?)」
「ムカついたら英語喋り始めるんだから。」彩奈、あんたの余計なお世話よ。兄弟の英語の会話がまた始まってしまった。
「Sumire, you get up. Now. No one's gonna be home today you know. (すみれ、マジ起きろ。今。今日は家に誰もいないんだぞ。)」
えっ?
「That's right sis! Daddy's going golfing today. He won't come back until late this night. (そうだよお姉ちゃん!ダディーは今日ゴルフに行ってるの。夜遅くまでは帰ってこないよ。)」
「Mummy is here. (マミーはいるでしょ。)」
「Nope. She's doing an English class for the elderly so she's gone already. (いや。ママは老人の英語教室をやってるからもういないぞ。)」
... 弱点を握られたな。はぁ...
「はい、はい。行きますよ。30分待って。」
私はやっとベッドから出て、顔を洗って黄色の向日葵(ひまわり)柄のサンデーワンピースを着て、適当にナチュラルメイクをし、高いポニーに結わいた。夏らしいウェッジサンダルを玄関前で履き、カフェオレを吸う彩奈と出掛けた。
外は... 暑い。一言でに描写すると「暑い」しかない。
「お姉ちゃん、運転して!」
「えっ?どうせ駅で行ける場所なんでしょ?」
「いや、今日撮影所は代々木なんだよね... だから電車で行くと時間経っちゃうでしょ?お願い!」
一ヶ月もこのパッソ転車に乗ってない。大丈夫なのか?免許は持ってるけど。
「... もう、早く!遅れちゃう!!」
「はい、はい!」
妹に強引に運転席へと押された。私はシートベルトをして、エンジンを入れて、私たちは出発した。

***

Karenという高校生向けのファッション雑誌は私の妹の彩奈が専属モデルとして所属している人気のファッション誌だ。なんて、姉なのにこれくらいしか知らない。まぁまぁ可愛らしい細い高校生モデルさんたちの集まり。あそこにいる40代半ばの方たちにはサービスになるだろう。代々木公園の周りにライティングスタンドの様な物が置いてあり、公園を散歩する一般人が状況を確かめようとしている。
私は特別扱いされ撮影所にあった傘の下の椅子に座って撮影を観察していた。可愛いトレンディーな服を着ていてバッチリキラキラするメイクしていても、やっぱり自分の妹が一番可愛い。若々しさのオーラが一番あるな、と私は彼女に微笑んだ。
「あれ、なんでしたけっ...」
?メガネとフェドーラの帽子を身に付けた見覚えの男性が私を見て話しかけて来た。この人... 確か... ん????
「なんでしょう...」私は名前が思い出せなくて不安になった。
「以前お会いしましたよね...」
!!あっ!森山さんだった!
「もしかして... カメラマンの森山さん...」
「そうです!!って、以前お会いした黒木美玲さんですよね?」
...?美玲?誰それ。
「すみれです。」
「そうそう!黒木すみれさん!... でもこんな所で何を...」
「妹の撮影の見物というか、無理あり連れてかれて。森山さんKarenのカメラマンなんですね。」
「いや、俺は色んな雑誌のカメラマンの担当をしているんで。夏の間はKarenに勤めていて。黒木... すみれさん、彩奈ちゃんのお姉さんなんですか?」
「そうです。こんな所で会えるなんて偶然ですね。」
本当に偶然だ。あの夜に慰めてくれた人...
「あの、今はちょっと忙しいので、休憩時間にもっと話しましょう。」
「あっ、はい。」
森山さんは走って消えた。次に出て来た女の子は以前会って拓海を連れ去った生意気そうじゃない女子高生と再会した。彼女の髪型がショートボブに変わったことに気付いた。彼女も私を覚えているようで、軽く頭を下げてこっちへ向かって来た。
高い可愛らしい声でこう言った。
「この間、香奈が失礼なことをしてごめんなさい。」
「いや、あなたが謝ることじゃないでしょ。」
「でも...」
「もう大丈夫だから。ほら、撮影に戻ったら?」
「うぅ、し、失礼します。」

***
昼の12時になり、夏の日差しから離れ、原宿のスタジオへと移った。彩奈の案内のおかげで10分遅れて休憩時間が短くなった。撮影の日は必ずこのスタジオは小さなブッフェなようなものがあり、私も食べることにした。
私の皿には全て洋食だ。お母さんがいつも和食作るから外食している時だけこういうものは食べれないのだ。いい加減イギリス人なんだからヨーロッパの食べ物とか食べたいのに...
彩奈は他のモデルさんたちから距離を取っていてメイクアップアーティストの女性たちと話している私の側に居た。理由を訊いてみると、「嫌われてるから。」と答えるのだ。
「なんで?彩奈はいい子なのに。」
メイクアップアーティストさんたちはシーンとなった。何か知っているのだろう。
「みんな私のことぶりっ子だの、ウザいだの言ってるから。」
すると彩奈のメイクアップアーティストの柴崎さんが小声で私に説明した。
彼女によるとKarenの読者さんの一番好かれてるのが彩奈であって、評判の嫉妬だろうと言っていた。おまけにハーフだから態度が違うからあまり馴染まなくて、ちょっといじめにあっている。だから大人としか話さないのだ。いい姉である私は可愛い妹のこと心配し、提案したのだ。
「そんな環境にいるならモデル辞めたら?」
「いやだ。」
「これ以上傷付いてどうするの?いつから始まったの?」
「絶対に辞められないの。たとえいじめられても、夢を叶えるためなら続ける。卒業するまで。」
こういうところ、お父さんに似てるな。
「尊敬できるわよね!だから私たちもファンの子たちも彩奈ちゃんが大好きなのよ。」柴崎さんが言った。

休憩時間が経過し、モデルさんたちは着替え室に向かった。
私は撮影室の中でポーズする少女たちを観察した。
「どうですか、今日の彩奈ちゃんは。」
森山さん...
「キラキラしていますね。」
「よかったです。彩奈ちゃんはいつも陽気で素敵な子です。」
「妹としてもそうですね。」
「お姉さんのすみれさんも素敵な女性ですよ。」

森山さんもとても素敵な人だな。

本当の君はまだ知らない。Where stories live. Discover now