ジュワジュワハート

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今日はクラスガールの撮影を終えた後、雄二さんを呼んでプロフィール写真を撮ってくれるのだ。オーディションで最も肝心なのも出場者の顔。必須なのは大体 : 顔だけの写真、上半身の写真とフルボディー。普段とは大分違い、かっこいいポーズとかはしない。

「はい、じゃあ笑って。...オッケー。」

パシャ。

「ここ座れば?うんうん、あっ、ちょっと顔右に... そうそう。」

パシャ。

「ヒップに手を乗せて、両手ね?はい、自信持って。オッケー!」

パシャ。

「ありがとうございました。」

「いや、彼女の役に立つのが彼氏の務めじゃん?いつでも撮ってあげるから。」そっか、いつも忘れてしまいそうだ、私はこの人の恋人だと言うこと。今になっては別れたくてしょうがない。私はもう最初から... 「それで、今夜はどっか食べに行かないで、うちに来ない?」

... 断んないと。拓海の所へ行かないと。

「ごめんなさい!私、今夜は予定があって... また今度にしてくれませんか。」

「忙しいなら別にいつでも大丈夫だよ。すみれちゃんも自分の都合もあるんだよね。ごめんね!いつも誘っちゃって!」優しいなぁ... でもこれからはずっとこの人とはご飯食べれないんだよね。少し寂しいな。

「いや、雄二さんは親切だから。」

「はは!そうか?ほら、行って来い。遅れちゃうぞ。」

「はい。じゃ、さよなら!」と私は走ってスタジオを出た。

***

さてさて、夕食の買い物。今日は何がいいかな。和食?お母さんの癖が私にも付いて来てるのか?!ダメダメ、年取ってるな... (まだまだピチピチの二十代が何を言う!) ヘルシーに、フィッシュハンバーグとか?私は素早く材料を集め、後からタクシーを捕まえて真っ直ぐ彼のマンションへ向かった。

ピンポーン。

あれ?いないのかな?試しにドアノブに触れてみた。そっとノブを下に押し込み、反応を確かめた。えっ、開いてるの?じゃあ、ちょっと、お邪魔しまーす... 誰もいない。

「拓海?ドア開いてるけど、居るの?」私は部屋中に響くように叫んだ。「ねえ???居るの?」

「うるせえな。居るって。」後ろから彼の声が聞こえた。

!なんで...?半身裸なのよ!!あああ!!もう、見てられない!でも見たい!えっ?今、私、何を!?変態だよ!!拓海の破廉恥さが私に移ってる!!いや、いや、落ち着こう。彼は無表情だよ。なんで?いや、私別にこの姿に見慣れてるわけじゃないのに... もう!辞めてよ!この引き締まった美ボディーとその優れた肌に流れ落ちる雫たちが胸の高鳴りを呼び起こすよ!

顔、目を合わせられない...ああん!もう!私は女として失格だ!ずっと彼の飽くなき自身溢れる胸と六つの腹筋の肉体を眺めるばかりだ!絶対に私の鼓動の早さが響いちゃってるし、バレてる。ど、どうしよう。こんな状況は...確か少女漫画では...って、なんでフィクションを参考にしてるんだ!!もう!!!

「いつまで見てるんだよ...」

「えっ!べ、べ、べ、別に何も見てないってば!!!」

「...なんだよ。すみれが早く来すぎたんだよ。今シャワー出たばかりだから、あっち行けよ。」

「はっ、はあ...なんで?」

「はっ?俺の裸姿見たいのか?すみれ、どうしたんだよ...さすがにその気になってくれたのは嬉しいが、俺、お前との関係そこまで進呈させるのはまだ早いと思うのだが...俺はゆっくりと...自然に...セックスの流れに...」いや、元女たらしが何を言ってるんだ。

「あんた、何期待してんの...」気を取り直してっと。もう誠実だ。夕食の支度でもしてよっ。「じゃあ、あっち行きますよ。」

今思ったけど、なんでバスルームが玄関に近いの?この前シャワー借りた時、結構綺麗だった気がする。まあ、男としてはきちんとしてたけど、バスルームのデザインとか、高級だし。(ここは高級マンションですからね、すみれ)水色のガラスのモザイク画がシャワーとバスタブを分けていて、床も紺と青のタイルで、部屋中ピカピカだし。ここってどれくらいの家賃なんだろう。もしかしてローン払ってるのかな?まあまあ、キッチンへ行こう。私はて鈍ら下げてたスーパーのプラスチックバッグをキッチンのカウンターに置き、材料を並べた。よし、じゃあ、クックパッドに検索っと。

本当の君はまだ知らない。Where stories live. Discover now