親愛なるアルバートさん
思いがけず、昨日、テリィから手紙を受け取りました──。
テリィは、何もかわっていないと云っています。
何もかもが遠い昔のことです。
わたし達はまだ幼かった。
時の流れは、人を、わたし達を、知らず知らずのうちに変えていくのではないのでしょうか?
テリィが云うように、何もかわらない、などということがあるのでしょうか?
わたしは変わりましたか?
アルバートさん、教えてください。
正しいことをすべきだと考えられないのがどうしてなのかが、わたしにはわかりません。
わたしは、アーロンの婚約者です。
アーロンを愛して、アーロンのことだけを考えるべきなのに......。
それが正しいことのはずなのに。
でも、もしそれが正しいことだとしたら、どうしてテリィに返事を書かないことが、こんなにも間違っていると感じるのでしょう?
友人としてテリィに返事を出すのは、アーロンを裏切ることになるのでしょうか?
アーロンを傷つけることはできません。
でも、テリィのことを思うと苦しいのです。
今ここに、アルバートさんがいてくれたらどんなにいいか、と願ってしまいます。
アルバートさんの率直な意見が聞きたいの。
子供の頃のように、アルバートさんの肩にすがって泣きたいの。
でも、もう私は子供ではありません。
いつも私の窮地に助けに来てくださいなんて、期待してはいけないのですね......。
今もまだ......何をしたらいいのか、わからずにいます......。
いつも変わらぬ愛を込めて
キャンディ